CRプログラムで「こんなはずじゃなかった…」と思う前に知ってほしい現実の話
公開日:2017年1月31日/更新日:2018年2月4日
「あれ?こんなはずじゃなかった…のに…。」
せっかくアメリカのディズニーで働けるようになったのに、このようなことを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
こんにちは、花枝です。
今回は少し厳しい話になるかもしれません。
一年間のCRプログラム経験し、私が感じた現実のCRプログラムを書いてみます。
応募前の方や、合格が決まった渡米前の方にも読んでいただければ幸いです。
それでは、まいりましょう。
- 今回の記事の前提と私の個人的な気持ち
- ディズニーで働けると言っても期限付き
- 1年間であなたが支払う対価
- 契約社員なので”アルバイト”と同じ扱い
- 長期雇用ではない故に起こること
- 帰国後の就職に必ずしも有利に働かない可能性
- 職場環境に過度な期待は禁物
- 冷静な判断がつきにくい環境?
- 勤務時間だけでは英語能力は伸びない
- ディズニーマジック☆で片付かない問題は自分で処理するしかないよな
- 関連記事
今回の記事の前提と私の個人的な気持ち
まず、はじめにこれだけは断りを入れさせてください。
私にとってCRプログラムは良い面も多々ありましたし、あの一年間は素晴らしい経験だったと思っています。
今回は「良かった〜!(^^)」という気持ちだけで終わらせないために、違った視点を持って記事にしていこうと思いました。
CRプログラムそのものを別視点で見つめる。
そして少々厳しい見方をすると、こうも考えられるんじゃないか…?
など、私が疑問に思ったことを書いていきます。
あくまでものの考え方の一つとして読んで下さいませ。
ディズニーで働けると言っても期限付き
一番最初から厳しいかもしれません。
しかも「それを言っちゃお終いなのでは?!」と思われるかもしれません。
ですけれど…任期期間は一年なのです。一年なのですよ。
皆さんがこの試験や渡米の準備にどれほどの期間を費やしたかは分かりません。
数ヶ月でしょうか?もしくは数年かかった人もいますよね。
ちなみに私はエントリーから渡米までかかった月日は1年半ぐらいです。
それでも実際にこのディズニーで働けるのは”一年限り”なのです。
(採用条件によっては一年に満たない場合もあります。)
一年は本当にあっという間です。
仕事や環境に慣れた頃には四分の一ぐらいは過ぎています。
仕事を教える頃には半分ぐらい過ぎています。
数々のイベントや繁忙期を迎えながら気がつくと……あれ?さて残りの期間は…!?
ー…と、まさに電光石火のごとく日々が過ぎていきます。
一年限りだからこそ精力的に活動もするし、多少無理してでも働くし、その結果より凝縮された充実した日々が過ごせるのだと思います。
一年を「長い」と思うのか、「短い」と思うのか、「ちょうどいい」と思うのか…
皆さんも少し考えてみてください。
1年間であなたが支払う対価
次に、CRプログラムの一年間で、私含めたCRプログラム生が支払う対価を考えてみましょう。
「ディズニーで働ける」
「アメリカで働ける」
という貴重な経験や実際の賃金と引き換えに、CRプログラム生は何を対価として支払うのでしょうか?
まずは「時間」。
一年間という時間を対価として支払います。
そして「健康な肉体と健康に過ごせる時間」。
一年間働きにディズニーに来ているわけですので、しっかり働いてもらうことが前提です。
むちゃくちゃな勤労時間とまでは言いませんが、公式HPに書かれた通りの勤務時間はこなさなくてはいけないわけです。
勤労をするためには健康な肉体が必要不可欠ですので、健康で十分に働ける期間も対価として支払っていると思います。
とはいえ健康は持ち越しできないのが非常に難点です。
その点においては「日本でアルバイトするのと同じ感覚」なのではないかなと考えます。
契約社員なので”アルバイト”と同じ扱い
次は勤務内容に夢を描いている方には、少しばかりガッカリする内容かもしれません。
このCRプログラムは三越の契約社員として働く一年間になります。
扱いとしては”ほぼアルバイト”、いえ、”アルバイトだ”と言い切ってよろしいでしょう。
それに伴って、職務内容もアルバイトと同じです。
接客販売ですから、”ディズニーで働いている”という点を除けば、ワーキングホリデーでどこかの海外で働いていることとなんら変わりのない勤務内容だと思います。
いくら福利厚生で、「ディズニーパークに入り放題!」「寮完備!」「寮のイベントもある!」「往路の飛行機は会社持ち!」「充実した社員研修あり!」
…と言っても、肝心の仕事内容は誰でもできるアルバイトです。
それもそのはず…。CRプログラム生は一年で日本に返さなければいけないからです。
「あなたじゃないとダメなんです!」
という特殊技能を持った人が活躍できるポストはないし、もとよりそんな募集はしていません。
最優先事項される人材は”三越とディズニーの意思決定に沿って動ける人”なのではないでしょうか。
アルバイトの仕事というのは、”ある程度のことを覚えれば、誰でも替えが効く仕事”です。
もちろん向き不向きもありますし、今までの経験が生きることも、日々の業務でほかとの差別化を測ることもできると思います。
ただ、そう考えてみても、やはりCRプログラムでの仕事は”アルバイト”の域を出ないと思います。
…というよりも、アルバイトの域を出ないからこそ様々な人に渡米のチャンスがあるのだと考えられませんか?
暴論に聞こえたら本当に申し訳ないのですが、CRプログラムは非常に選抜が厳しいアルバイトだと思います。※
- それでもいい!ディズニーで働くことに価値がある!
- このアメリカで働いたという経験が欲しい!勤務内容は二の次!
- いやそもそも接客業好きやし、喜んで!
- むしろその誰でもできることを工夫して素晴らしい経験にするのがこのプログラムの肝でしょ!
…と思われる方は、あまり気にされないことなのかなと思います。私も気にしなかったことですし…。
<※注釈…とはいえ、アルバイトだって立派な経験ですし、経験内容で考えると最高のアルバイトです。>
長期雇用ではない故に起こること
CRプログラム生は一年間で帰ってしまいます。
そう行った背景もあるから仕方ないことだとは思いますが、正直なところ長期目線で見て、人材育成するような職場ではなかったなと思います。
「CRプログラム生を大切にしていないんじゃないか?」
「一年で帰るから適当に扱われているのではないか?」
このような意見も、大なり小なり感じている人はいたようです。
その点についての私の考えは、CR生の感覚か雇用主側(三越)の考えのどちらかが、必ずしも正しいわけではないと思います。
ですが、不満を感じてくすぶったり、分かり合える人たちだけで不満を言い合うのでは根本の解決にはなりません。
不満に思うことや疑問に思うことは、雇用主に直接伝えるのが良いと思います。
この問題は単純に”どちらかが悪い”ということではないと思います。
ものの見方の相違である可能性もありますし、それは改善していけることなのかもしれません。
帰国後の就職に必ずしも有利に働かない可能性
CRプログラムの経歴が就職に有利かというと、案外そうでもないのかもしれません。
まず、有効な職種とそうでない職種がありますし、名の知れた大企業に行こうと思ってPRしたとしても「CRプログラム?知らないなあ。」という結果だったりすることもあります。同じ海外で働くとしても、知名度なら「JICA(海外青年協力隊)」の方が断然高いです。
企業側も全てを把握しているわけではありませんので、いくらCRプログラムの試験が難関だと言っても、そんなの知ったこっちゃあないのでございます。
履歴書に書かれたCRプログラムの経験を見て
「アメリカのディズニーで一年間遊んで働いてたってことかな?」
…と思う方もいるかもしれません。
確かに歴代のCRプログラム生の方々で、有名な企業に就職された方はたくさんいらっしゃいます。ですが、それはあくまで一例です。
ですが、例えばベンチャー企業だと”面白い経歴”としてCRプログラムの経験を買ってくれる可能性もあるかもしれません。
ホテルやサービス業では”ディズニー”という企業名が大きく働く可能性もあります。
なんだかんだでやはりサービス業・エンタメ業でのディズニーのネームバリューは強いです!
CRプログラムは、それらをうまくアピールするいい材料にはなり得ると思います。
職場環境に過度な期待は禁物
そして気になる職場環境。
職場環境は日本の企業に就職するのと…いえ、日本の企業でアルバイトしてるのと、あまり変わりないです。
研修は確かに充実していますし、ディズニーで働いていることもあり、最初はある種の非日常感はあります。
ですが、基本的に周りにいて一緒に働くのは日本人のCR生です。
日本人以外の同僚といえば、それはもうマネージャーかバックヤードで働く皆さんぐらいしかいません。
アメリカで働くということで、かなり期待されて渡米される方も大勢いますし、私も実際の現場を見るまで想像もできませんでした。
やはり実際のところの現場は日本人の同期・先輩・後輩と接することの方が断然多いです。
そして、それに伴ってか”人間関係の悩み”も日本人同士で生まれることの方が多いと感じました。
見たくない場面も見るかもしれない、失望したりされたり、イライラ・ギスギスしたりぶつかったり不満があることも多いところなのです。
特に20代の世代が多いですし、皆さんほぼ同世代です。相手に対してイラついたり、理解できなかったり…それもまた仕方のないことなのだと思います。
もちろんそこから学べることも多いでしょうし、どうにかして自分で対処しなければいけない問題も出てくる可能性もあります。
時間をかけて相手とぶつかって自分をさらけ出して相手を理解していく…。
それも含めたプログラムだと割り切って臨む方がよろしいかと思います。
冷静な判断がつきにくい環境?
日本人が多い環境だということのついでに、大切なことをお話しします。
日本館はかなり閉鎖的な職場だと思います。
これを言うと身も蓋もないですが、やはり日本館はCRプログラム生はもちろん、現地採用の従業員さんも含め日本人が圧倒的大多数です。
そもそも”職場”というものそのものが閉鎖的なものだと思いますし、それは「企業の文化」を醸造する源であったりしますから、閉鎖的なことを嘆くのはお門違いだとは思います。
ただ、閉鎖的な空間は人間関係が固定するので、
- 上下関係ができやすい
- 遠慮が生まれたり過度の気遣いが生まれたりしやすい
- 他者からの目線に敏感になりやすくなる
とは思います。
それに対して「じゃあ、どうしたら良いのか?」の答えはそれぞれだと思います。
ディズニーワールド内には様々な国から人が働きに来ています。
日本館以外でも、いろいろな人と関わり、触れ合うのも良い経験になると思います。
年齢国籍性別は関係ないところが、ディズニーの素晴らしいところです。
少し外を見れば…日本館の外にも関われる人はたくさんいるはずです。
勤務時間だけでは英語能力は伸びない
もちろん配属先によってかなり左右されるのでしょうけれど、勤務時間・接客時間だけの英語では期待するほどの英会話能力は伸びないと思います。
1年間ディズニーで働いたと言っても、使う会話のパターンはある程度決まってきます。それに、パフォーマンス系の部署にもきちんと接客マニュアルがあります。
もちろんとっさの気の利いた一言だったり、より丁寧な英会話、より専門的な会話を目指せばきりがありません。そう言ったことをさらに深く追求している同期もいました。
「勤務時間だけでは英会話能力は伸びない!」
そう早く気付いた同期や先輩・後輩のなかで「このままではいけない!」と思った人たちは皆”それなりの努力”をしていました。
例えば
- ボランティア活動に挑戦する
- ディズニーハウジングのイベントにでる
- 地元の友人を作る
そのままの環境ではなかなか期待するほど英会話能力は伸びませんので、ただ嘆くだけではなく、上記のようなことにも挑戦してみる価値はあると思います。
ディズニーマジック☆で片付かない問題は自分で処理するしかないよな
CRプログラムには見えないところでディズニーマジックだけでは片付かない現実があるのです。思いつく限りでCRプログラムを厳しい目線で見てみました。
誰もが礼賛するシステムは作れませんし、誰もが同じ感性を持っているわけではありません。
今私が挙げたことにまったく同意しない人もいれば、同意する人もいると思います。ですが、それはどちらかが正しいわけではないと思います。
CRプログラム生の年齢がほぼ固定されていますし、みんな日本人です。
その小さなコミュニティの中で働いているので閉鎖的になるのも、空気が悪くなったりするのも仕方のないことだとは思うのですが〜…。
たとえば、CRプログラム生の年齢幅をもっと広くしてみたりしたら?とか、いろいろな経験を積んだ社会人を入れたらどうかなー?ってのは思いました。同期に50代〜60代のおばちゃん・おじちゃんがいても面白そうだったなあと。
※ただしビザの問題が…ありそう!その他にも問題はありそうですが。
たくさん厳しいことも書きました。
私はCRプログラムそのものがCR生に何かを与えてくれるわけでも、CR生の何かを変えてくれるわけでもないと思っています。
- CRプログラムを通じて自分が成長できているのか?
- 自分は自分の人生が充実できる”何か”をみつけられているか?
…という観点を持つのは大切だなと感じましたし、それは今なお強く思っています。
長い記事になりましたが、加筆修正していきながらこの話題はこれからもまとめていきたいなと思います。
関連記事
★とはいえやっぱり私はオススメします。
★「励まされました!」という感想の多い記事(嬉しいです!)